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「その他性犯罪」に関するお役立ち情報
家族が不同意わいせつ罪で逮捕された時にできること
1 不同意わいせつ罪
不同意わいせつ罪は、刑法第176条に規定されている犯罪です。
不同意わいせつ罪には拘禁刑しかなく、罰金刑がありません。
そのため、起訴されたら、拘禁刑の実刑判決、執行猶予付き判決のいずれかになります(もちろん、無罪である場合を除きます)。
罰金刑がないということで、不同意わいせつ罪は重い犯罪であるといえます。
【痴漢の場合】
痴漢で罰金刑を受けたという話を聞いたことがあるかもしれませんが、それは、迷惑防止条例違反にとどまった場合です。
痴漢行為の場合、迷惑防止条例違反になる場合と、不同意わいせつ罪になる場合があるのです。
実務では、直接触ったか、着衣の上から触ったかどうかなどによって、不同意わいせつ罪にあたるか、迷惑防止条例違反にあたるかを判断しているといわれています。
2 痴漢で逮捕された後の流れ
不同意わいせつ罪で逮捕された場合の刑事手続きの流れは、以下のとおりです。
①逮捕(72時間)
・警察から検察への送致(送検)まで(48時間)
・送検から勾留請求まで(24時間)
②勾留請求
③勾留質問
④勾留決定……ここまでが逮捕中に行われる可能性があります。
(※勾留請求されないか勾留請求却下の場合は、釈放され在宅捜査へ)
⑤勾留
⑥勾留延長の決定(さらに最大10日間)
⑦検察官による処分の決定(起訴or不起訴)
・不起訴の場合:釈放される
・起訴:起訴後勾留が始まる(保釈申請が可能になる)
⑧裁判
⑨判決
・執行猶予付き判決:釈放される
・実刑判決:刑務所へ
「逮捕」は短期的な身柄拘束、「勾留」は長期の身柄拘束のことです。
要は、どちらも警察に捕まっていて、家に帰れない状態というくらいの意味で考えてください。
しかしながら、犯罪の捜査中は、必ず、逮捕・勾留していなければいけないというわけではありません。
住所が定まっていて、証拠を隠滅したり、逃げたりするおそれがなければ、身柄拘束をせずに在宅捜査を行ってもかまわないのです。
むしろ、被疑者の権利保護という観点からは、自由を制限しないこちらが原則ということができます。
在宅捜査とは、被疑者が、普段は自宅で生活し、呼び出しを受けたときだけ警察署や検察庁におもむいて、取調べを受けるという形で行われます。
逮捕されたとしても、勾留されなければ、在宅捜査に切り替わることはあります。
事案の性質、被疑者の態度や境遇、その他個別事情により検察官が勾留請求するか判断し裁判官がそれを認めるか決めることになります。
3 逮捕・勾留された家族のためにできること
⑴ 面会
逮捕されて動揺している人にとって、家族との面会は、大きな心の支えになります。
ただし、逮捕中の72時間は、家族でも面会することはできません。
この期間中に面会できるのは弁護士のみです。
勾留された後は、接見禁止になっていなければ、家族も本人と面会することができます。
⑵ 差し入れ
家族は、着替え、本、現金などを差し入れすることができます。
差し入れできるものは、警察署の規則に定められていますので、警察に確認してから準備することをおすすめします。
接見禁止の場合、手紙の授受もできないことが多いです。
⑶ 弁護士への相談・依頼
家族がしてあげられる最大のことは、弁護士に相談・依頼することです。
では、弁護士に依頼したら、どのようなことができるでしょうか?
①今後の見込みについてのアドバイス
一般的な刑事手続きの流れについて説明しましたが、勾留されるか、在宅捜査になる見込みがあるか、不起訴になるか、起訴される可能性があるかということは、事案によって異なります。
弁護士に相談することによって、その見込みを聞くことで、今後のことも考えられるようになるでしょう。
②本人との面会
弁護士は、早朝や夜間であっても、本人と面会することができます。
家族が面会できない逮捕中の72時間であっても、弁護士なら面会できます。
弁護士は、いち早く面会に行くことで、本人から詳しい事情を聞いたり、取調べを受けるにあたっての必要なアドバイスをしたりすることができます。
本人にとっても、弁護士との面会は重要なことですが、家族も、本人の状況などが分かるので落ち着くことができます。
また、弁護士が今後の見込みを判断する上でも、本人と早めに面会することは必要です。
③釈放のための弁護活動
在宅捜査にして釈放してもらうためには、以下のような弁護活動が考えられます。
【勾留請求の阻止】
まだ、逮捕中である場合、勾留請求を阻止のための弁護活動が考えられます。
勾留請求をするのは検察官なので、弁護士が、検察官に面会したり、意見書を提出したりして、勾留の理由がないことを伝え、勾留請求をせずに、逮捕の期間が終わったら釈放してほしいと働きかけます。
【勾留決定の阻止】
検察官が勾留請求をしてしまったら、次は、勾留決定を阻止するための弁護活動が考えられます。
勾留決定するか、勾留請求を却下するか決めるのは裁判官です。
そこで、弁護士が裁判官に対して、あらかじめ意見書を提出したり、面会を申し入れたりして、勾留請求を却下してほしいと働きかけます。
【勾留決定に対する準抗告】
勾留決定になってしまった場合、準抗告することが考えられます。
これは、裁判所に対して、本人には、証拠隠滅のおそれ及び逃亡のおそれがないため、勾留の必要性及び相当性(身柄を拘束することによる刑事手続き上の利益が本人の自由を奪う不利益よりも優っているという事情)がないとして、勾留決定を取消または変更するように請求する手続きです。
④示談交渉
被害者がいる犯罪の場合、迅速に行わなければいけないことは、被害者との示談です。
被害者との示談交渉は、多くの場合では弁護士にしかできないことです。
不同意わいせつ罪は、被害者からの告訴がなくても、検察官の判断によっては起訴されることがあります。
そうすると、告訴取り下げのために示談することは意味がないのかということになりますが、そうではありません。
被害者の救済、被害者の処罰感情は、刑事手続きの中でとても重要な要素です。
検察官が起訴するか不起訴にするかは、いろいろな要素を判断して決めます。
そのときに、被害者と示談できているかということは大きな判断要素となります。
起訴されることもありうるけれど、示談できていれば、より不起訴になる可能性が高まるということです。
また、起訴されてしまったとしても、被害者と示談できているということは、量刑を決める上で、よい情状となります。
そこで、有罪判決になるとしても、執行猶予付きの判決になる可能性が高まりますし、前科などの事情によって、実刑判決になる場合でも、刑期が少しでも減刑される可能性があるのです。
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