大変申し訳ございませんが、担当弁護士の予定が一杯のため、現在、刑事についてのご相談はお受けすることができません。
「面会・接見」に関するお役立ち情報
接見とは何かと接見を制限された場合の対応
1 接見とは
⑴ 接見の基本
接見とは、勾留中の被疑者又は被告人と面会することをいいます。
罪を犯した場合、被疑者は「逮捕」されることがあります。
逮捕は最大で72時間続きます。
また、逮捕後に「証拠隠滅や逃亡のおそれがある」として、引き続き「勾留」される可能性があります。
勾留は最大で20日間続きます。
勾留されている被疑者・被告人は、留置場や拘置所から出て家族や友人など外部の者と会うことはできません。
しかし、その家族・友人に限らず、面会を希望する者は誰でも留置場や拘置所に行って身体拘束されている方と接見できることが原則です。
ただし、接見は警察署内における留置場の接見室で行いますから、警察署の執務時間、警備人員、接見室の部屋数等による物理的、時間的な制約があるのは当然です。
そこで、一般の方の面会については、一定の制約を課すことが法令で認められており、各警察署が施設の都合に応じたルールを定めています。
警察署によって異なりますが、通常、これら一般の方の接見は、概ね平日の午前9時から午後5時まで、一人の被疑者に対して1日1組(3人以内)だけです。
時間は、当日の混雑状況に応じて、15~30分となっています。
また、必ず警察官が立ち会います。
なお逮捕段階では弁護士(弁護人)以外は接見できず、接見できるようになるのは勾留段階からです。
したがって、逮捕段階で警察署に行って面会を申し込んでも、断られてしまいます。
しかし、一般の方と異なり、弁護士は基本的にいつでも留置場に身体拘束されている者と時間の制限なく、警察官の立ち会いもなく、接見することが可能です(ただし、拘置所の場合は施設管理の都合上、弁護士でも日時に制限があります)。
⑵ 接見の重要性
逮捕又は勾留された方は、スマホを使用することは禁じられますので、インターネットも電話もできません。
自分にどんな権利があるか、自分には今後どんな取り調べや刑事処分が待っているのか、何を話すと有利又は不利になるか、取り調べの注意点などについて、検索することも人に聞くこともできません。
しかし、弁護士と接見すれば、法律の専門家から、黙秘権など権利の内容、刑事手続きの流れ、何を話すと有利または不利になるか、取り調べを受ける際の注意点等について、その事件に即して説明とアドバイスを受けることができます。
また、家族や職場の方と接見すれば、「服の差し入れをしてほしい」「上司にしばらく休むと伝えてほしい」など、事件には関係はないことを頼んだり(※)、これからのことについて相談したりすることができます。
※弁護士以外の方との接見の場合、警察官が立ち会い、事件内容に関する会話は禁止されます。万一事件に関する会話をすれば、ただちに接見は中止となります。
2 接見が禁止されるケース
一般の方との面会は、禁止されることがあります。
接見禁止の処分は裁判官が行います。
接見禁止されると、面会だけでなく手紙のやり取りも禁止されます。
【刑事訴訟法81条】
裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。
弁護士以外との接見が禁止されるのは、例えば、共犯者がいるケースで、共犯者がまだ逮捕されていない場合です。
このような場合、一般の方との面会を認めると、面会者を通じて共犯者との口裏合わせや共犯者による証拠隠滅が行われる可能性があるため、接見禁止となることがあります。
例えば、いわゆるオレオレ詐欺のような組織的な犯行が典型的です。
他にも、例えば薬物事件の場合、通常は入手先という共犯者がいますので接見禁止が付くことが多くあります。
たとえ夫婦、親子、兄弟姉妹や彼女であって犯罪とは無関係であっても、捜査機関や裁判官には、家族が犯罪に関係しているかどうかは分かりません。
また、犯罪に無関係な家族であっても、証拠隠滅に手を貸してしまう危険はあります。
このため、家族であるか否かを問わず、上のような犯罪では、弁護士以外の面会は一律禁止となることが多いのです。
しかし、弁護士は接見禁止の対象外です。
逮捕・勾留されて外部と遮断されて孤立してしまう被疑者に対して、今後の刑事手続きの流れ、取り調べの注意点や黙秘権などを助言することで、冤罪を防ぎ、被疑者に有利な結果をもたらすように取り組みます。
弁護士が常に接見できることで「妻に○○と伝えて欲しい」など、接見禁止でも家族への伝言を頼むこともできます(証拠隠蔽などにかかわる伝言はもちろんできません)。
3 接見が禁止された場合の対処法
⑴ 接見禁止の解除請求
先述のように、接見禁止の決定がされた場合、ご家族の方は身体拘束されている被疑者・被告人といつまでも接見することができません。
身体拘束されている方はもちろん、その家族の方も精神的に非常につらいでしょう。
家族が面会して励ますことは、被疑者に捜査機関と戦う勇気を与えます。
釈放されたいあまりに虚偽の自白をしてしまうという最悪の事態を防止することにつながるでしょう。
また、例えば、個人事業主や中小企業の経営者の方が身柄拘束を受けた場合、家族や部下との接見によって取引や運営の指示・相談ができないと、短期間で事業に支障が生じる危険があります。
こればかりは、内部事情の分からない弁護士を介した指示・伝言では正確・円滑なコミュニケーションには限界があります。
「弁護士とだけ接見していれば十分」とは残念ながら言えないのです。
したがって、接見禁止はできる限り早期に解除させるべきです。
接見禁止された場合には、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
接見禁止処分に対しては、①不服申立て手段として禁止決定自体の取消を求める「準抗告」、②家族など特定の者についてだけ禁止を解くように裁判官の職権発動を促す「接見禁止の一部解除の申し立て」をすることが可能です。
実務で多用されるのは後者ですが、例えば両親の面会を認めて欲しい場合には、「両親の面会禁止を解除しても、逃亡や証拠隠滅の危険がないと言える具体的な理由」を示して裁判官を納得させなくてはなりませんから、弁護士がいなければこれをすることは実質的に困難でしょう。
⑵ その他の弁護士による弁護活動
弁護士が接見をして法的アドバイスをし、外部との情報交換をすること、家族等の面会禁止を解くことは、弁護士の重要な職務ではありますが、弁護活動はこれに尽きるものではありません。
これ以外にも弁護士の弁護活動は多岐にわたります。主な活動をあげれば、次のとおりです。
・被疑者・被告人に有利な事実の調査・採証
・捜査機関の法令違反・人権侵害の監視・抗議
・被害者との示談交渉
・勾留・勾留延長を阻止するための検察官、裁判官との面談や意見書提出
・起訴を回避するための検察官との面談や意見書提出
・起訴後の保釈請求
・公判における減刑や執行猶予付き判決を目指す活動
身柄拘束を受けた刑事事件は、起訴までの期間が最大23日間という短期決戦です。
これら弁護活動のスタートが早いに越したことはありません。
できる限り、捜査を受けた初期段階で弁護士に弁護を依頼するべきです。
4 接見禁止された場合には当法人にご相談を
弁護士へのご相談の中には、「逮捕直後で家族と接見できなかった」「接見禁止がされているので代わりに被疑者に会ってほしい」などという内容も多く寄せられます。
もし、「接見・差入れしたい」「接見禁止を一部解除してほしい」とお考えであれば、当法人の弁護士にご相談・ご依頼ください。